翻訳の難しさ
"We make a living by what we get.
We make a life by what we give." -Winston Churchill
今朝、facebookを開くとこの引用句が送られてきていました。
ウィンストン・チャーチルさんの言葉です。
「我々は手に入れられるもので生活をしていく。
一方、我々が与えるものによって人生を作っていくのだ。」
んー 日本語にするとちょっとニュアンスが変わる。
っていうか、さっぱりわからない文になる。直訳なのに、なんでだろう?
ちょっとなおすと
「僕たちは手に入るもので生活をしてるけど
自分が誰かに与えたもので自分自身の人生を作っていっているんだ」
100点満点の翻訳ではないかもしれないけど、こっちの方が気に入った。
という言語間でのギャップに(つまり背後の感情を伝え切れているかどうか)
突然疑問をもってしまったので今日はこのテーマで。
久しぶりの英語ネタです。
* * *
make a living は「生活する」
一言で「生活する」といってもいろいろあるでしょうが
この場合はつまり、経済的なやりとりを経て生活を成り立たせるという意味。
一方 make a life は 「充足的な生き方を成立させる」とでもいおうか
似たような単語ですが、まったく意味合いが異なる。
そして、what we get は 「getするもの」→ 得るもの。
この場合生活費となる収入を意味する。
what we give は「与えるもの」
自分が与えるものによって自分の人生は価値づけられる、といった意味なんだろうと思いました。
が、その感情をうまく日本語に端的に表そうとするとなかなかうまくいかない。
字余りで説明的(今の私がそう)になりがちで、
かといって直訳のままでは背後の感情は伝わらなそう。
* * *
翻訳をする上で、一番初めに習ったことは
「自分を透明化すること」
自分の色を出してはいけない、著者の意図をまげてはいけない。
確かにそうだろうけど
そうしてしまうと、数々の翻訳本にありがちな
わけのわからない文になってしまう。
直訳のまま伝えようとしてその背後の感情がうまく伝わらない。
* * *
「ライ麦畑でつかまえて」という名作。10代の頃から何回か読みました。
でも、あまり感銘は受けなかった。
無気力な青年の物語という印象しか持てなくて
自分でもおかしいなと思い、何かの節目にちょこちょこ読んでましたが
やっぱり感想は同じ。
そして、たまたま古本屋で英語版のペーパーバックを見つけたのが7~8年前。
100円だったので即買い。すぐに原文を読み始めました。
驚いた。
こんなにもさまざまな感情がつまっている本だったのか!
翻訳で、いかに控え目に訳していたのかがわかりました。
それがその道の本道だとしても、感動が伝わらなければ意味がない。そう思うようになりました。
たぶん私が訳す文は、意訳と呼ばれるものがかなり多いかもしれない。
著者の意図を100%ぶれないで伝えているのかと問われれば、それは自信をもってこたえられない。
(そういうとき、著者と会って話してコンセンサスをとれれば一番いいんだろうけど
それはちょっとムリな場合が多い)
それでも、やっぱり背後の感情、つまり感動を伝えるのはとても大事なことだよ。
と思うわけなんです。
We make a life by what we give." -Winston Churchill
今朝、facebookを開くとこの引用句が送られてきていました。
ウィンストン・チャーチルさんの言葉です。
「我々は手に入れられるもので生活をしていく。
一方、我々が与えるものによって人生を作っていくのだ。」
んー 日本語にするとちょっとニュアンスが変わる。
っていうか、さっぱりわからない文になる。直訳なのに、なんでだろう?
ちょっとなおすと
「僕たちは手に入るもので生活をしてるけど
自分が誰かに与えたもので自分自身の人生を作っていっているんだ」
100点満点の翻訳ではないかもしれないけど、こっちの方が気に入った。
という言語間でのギャップに(つまり背後の感情を伝え切れているかどうか)
突然疑問をもってしまったので今日はこのテーマで。
久しぶりの英語ネタです。
* * *
make a living は「生活する」
一言で「生活する」といってもいろいろあるでしょうが
この場合はつまり、経済的なやりとりを経て生活を成り立たせるという意味。
一方 make a life は 「充足的な生き方を成立させる」とでもいおうか
似たような単語ですが、まったく意味合いが異なる。
そして、what we get は 「getするもの」→ 得るもの。
この場合生活費となる収入を意味する。
what we give は「与えるもの」
自分が与えるものによって自分の人生は価値づけられる、といった意味なんだろうと思いました。
が、その感情をうまく日本語に端的に表そうとするとなかなかうまくいかない。
字余りで説明的(今の私がそう)になりがちで、
かといって直訳のままでは背後の感情は伝わらなそう。
* * *
翻訳をする上で、一番初めに習ったことは
「自分を透明化すること」
自分の色を出してはいけない、著者の意図をまげてはいけない。
確かにそうだろうけど
そうしてしまうと、数々の翻訳本にありがちな
わけのわからない文になってしまう。
直訳のまま伝えようとしてその背後の感情がうまく伝わらない。
* * *
「ライ麦畑でつかまえて」という名作。10代の頃から何回か読みました。
でも、あまり感銘は受けなかった。
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自分でもおかしいなと思い、何かの節目にちょこちょこ読んでましたが
やっぱり感想は同じ。
そして、たまたま古本屋で英語版のペーパーバックを見つけたのが7~8年前。
100円だったので即買い。すぐに原文を読み始めました。
驚いた。
こんなにもさまざまな感情がつまっている本だったのか!
翻訳で、いかに控え目に訳していたのかがわかりました。
それがその道の本道だとしても、感動が伝わらなければ意味がない。そう思うようになりました。
たぶん私が訳す文は、意訳と呼ばれるものがかなり多いかもしれない。
著者の意図を100%ぶれないで伝えているのかと問われれば、それは自信をもってこたえられない。
(そういうとき、著者と会って話してコンセンサスをとれれば一番いいんだろうけど
それはちょっとムリな場合が多い)
それでも、やっぱり背後の感情、つまり感動を伝えるのはとても大事なことだよ。
と思うわけなんです。
by dignen
| 2011-08-10 11:47
| 英語のことアメリカのこと
山の古民家暮らしをつらつらと。
by dignen
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山形庄内の海より
海中写真すてきです。身近な庄内の海の底にこんなワンダーランドがあるなんて!いつかもぐってみたいと思い続けてもう幾数年。
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10年以上も前、学生時代に作った私個人の趣味サイトです。当時育てていた植物についてばかりの内容。セントポーリアや多肉植物、サボテンについて南ミシシッピで育てていたころの記録です。その他の項目は未完成です。もうコンテンツの完成は夢のまた夢だね。ここにリンクしておかないと存在自体を忘れそうなので記します。
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